人気ブログランキング | 話題のタグを見る

津南桐の話

更新をさぼってから早一ヶ月...  

週末家族の引越しの手伝いで新潟にかえっていました。
三月は別れの季節でもあり、皆それぞれ新しい道を歩み始める季節
私もがんばってまいります。

新潟に帰る途中、十日町という豪雪地域(温暖化の影響で今年は例年より少ない)にある桐材店で話を伺ってきました。

桐という木はそもそも成長が早い木で
娘の出産の時に桐の木を植えて成人の頃にその木で箪笥を作るという習慣が昔はあったようです。
ですから桐の木は木目が荒い(年輪の間隔が広い)のが一般的で、木目が細かくて大きな桐を探すのは大変です。
十日町の津南桐は豪雪地方で育つこともあり木目が詰まっていて質も最高級なのですが
桐を扱える業者は限られていて、皆さん高齢で若い跡継ぎがいません
中国から安く大量に入ってくる桐に主役の座を奪われ
国産の値段の張る桐の需要は年々減る一方です。
昨年ご主人を失ったこの桐屋さんも先日、店を閉めてしまったようです。

今後、日本の景気が良くなったとしても、若い人が需要が少なく自然相手の先行きが見えない職に戻る事は難しく、本当に良いもの達が引き継がれていかない事はとても残念です。 

私の仕事は、このような素晴らしい仕事を陰ながら支えていただいている方々のお陰で成り立っていると改めて感じる日でした。
壊滅寸前の日本の素晴らしい自然と伝統を少しでも皆さんと共有していきたいと強く思います。
by kozan-japan | 2010-03-08 20:49
<< コーヒーの話 漆の話 >>